「宇宙では人間はゲップができない」――この一文、ちょっと信じられないですよね。
炭酸飲料を飲めば自然と出てしまうあの「ゲフッ」が、宇宙空間では封印されるなんて。
今回は、そんな驚きのトリビアを、科学的な背景から面白エピソードまで交えて解説していきます。
最後には「日常生活にどう役立つのか？」という無理やり感あるまとめもご用意しましたので、どうぞお楽しみに。
もくじ
無重力では「ゲップ」がムズカシイ！
結論から言いましょう。宇宙空間、つまり無重力環境ではゲップが難しいのです。
なぜかというと、私たちが地球でゲップをするときは「重力」が胃の中の気体と液体を分ける役割を果たしているから。
重い液体（胃液や飲み物）は下に沈み、軽い気体（空気や炭酸ガス）は上に浮く。だから口から気体だけが「ゲフッ」と出ていくのです。
しかし、無重力空間では気体も液体も均一に混ざった状態で漂ってしまうため、気体だけを分離して外に出すことができないのです。
（ただし、体を加速させるなどで擬似的に重力を作れば理論上は可能とされる。）
つまり宇宙飛行士が「ちょっと失礼」とやろうとすると…大切なモノまで一緒に逆流してしまうということです。
関連するエピソード
宇宙で「ゲップができない」という話は、単なる豆知識ではなく、実際にいろんな実験やエピソードが残っています。ここでは特に有名なものを紹介します。
① 宇宙でコーラを飲んだらどうなる？
1985年、アメリカのスペースシャトルでコーラを宇宙に持ち込み、実際に飲めるかどうかの実験が行われました。
しかし結果は失敗。
地上ならスッキリした炭酸が、宇宙では「ただのお腹ゴロゴロ液体」に変身してしまったのです。
② 宇宙飛行士の生の声
カナダの宇宙飛行士クリス・ハドフィールドは「宇宙でゲップをしようとすると、空気だけでなく食べ物や飲み物も一緒に逆流してくる」と語っています。
つまり、普通のゲップをしようとすると「口の中にちょっとした惨劇」が発生してしまうわけです。
想像するだけで、なんとも気まずいシーンですよね。
③ 宇宙でビールを楽しみたい人たち
「炭酸がダメならビールも無理？」と思う人も多いでしょう。実際にオーストラリアのビール会社は「宇宙でも飲めるビール」を研究しました。
炭酸を弱めにしたり、泡が暴れないように工夫したりして、なんとか「宇宙ビール」を開発したのです。
まだ一般的には飲めませんが、宇宙旅行が当たり前になったら「宇宙バー」ができる日も来るかもしれません。
④ 擬似ゲップに挑戦？
中には「体を一瞬グッと動かして、気体を無理やり分ければゲップできるのでは？」と試した人もいるとか。
理論上は可能らしいのですが、成功する確率は低く、失敗するとやっぱり飲み物ごと逆流…。
「危険なチャレンジ」として笑い話になっているそうです。
さらに深掘り！小ネタ・豆知識
ここからは「へぇ～」とつぶやきたくなる豆知識をまとめてご紹介します。
① 宇宙での炭酸飲料は諦めよう
宇宙飛行士はコーラやビールなどの炭酸飲料を飲めません。理由はもちろん「ゲップが危険」だから。
胃の中で泡と液体が分かれず、飲んだ瞬間から不快感につながるので、宇宙では提供されていないのです。
② 宇宙食は工夫だらけ
宇宙食といえば粉末やゼリー状のものが中心。飲み物もパウチに入っていてストローで吸うスタイルが基本です。
これは「こぼれない」ためでもあり、「変なガスが溜まらない」ためでもあります。
③ 宇宙用ビールの開発
実は「宇宙ビール」は現在研究中。炭酸を少なくし、泡が広がりすぎないように調整した特別仕様です。
いつか宇宙ホテルができたときには「一杯いかがですか？」と注文できる日が来るかもしれませんね。
④ オナラは出るのか？
ゲップはできませんが、オナラは出ます。
さらに密閉空間なので、におい対策も重要。宇宙船の空気管理システムが大活躍しています。
まとめ：地球の当たり前は宇宙の非常識
今回は「宇宙ではゲップができない」という、ちょっと笑えるけど実は科学的に奥深いトリビアを見てきました。
私たちが当たり前のようにしている日常の行動が、重力という大前提に支えられていることを改めて実感できます。
炭酸飲料を飲んで「ゲフッ」と気持ちよくガスを抜けるのは、地球ならではの特権。宇宙飛行士にとっては羨ましいことかもしれません。
この話から学べるのは、「日常の何気ない行動も、環境が変われば通用しない」ということ。
状況に応じて柔軟に対応できる人こそ、未知の環境でも生き抜ける――宇宙のゲップ事情は、そんな現代社会の縮図なのかもしれませんね。
最後にもう一度。
地球にいるあなたは、今日も炭酸飲料を飲んで「ゲフッ」と安心して大丈夫。
でも宇宙に行ったら、くれぐれもコーラは持っていかないことをおすすめします。
