みなさん、こんにちは。
大学院生のGororiです。
「記憶の宮殿」っていう記憶術をご存知ですか?
映画『羊たちの沈黙』で天才的な精神科医であり猟奇殺人犯であるレクター博士も使っている記憶術です。
レクター博士は、身体が拘束されていても、「記憶の宮殿」の中の部屋に入るだけで過去のどんな記憶も呼び起こすことができるのです。(本を読まずに記憶だけで読書もしていました)
詳しい内容は後で説明しますが、私はこの記憶術を国家試験の勉強の際に使っていました。
この記事では、
- 「記憶の宮殿」とは
- 「記憶の宮殿」の作り方・コツ
- 「記憶の宮殿」のメリット・デメリット
- 「記憶の宮殿」に向いていること・向いていないこと
を私の経験を踏まえて紹介します。
どんな人におススメの記事?
- たくさんのことを覚えなければいけない人
- 漏れなく完璧に思い出したい人
- 想像力が豊かな人
「記憶の宮殿」とは
Wikipediaによると...
記憶したい対象を空間に並べていく方法である。人間は例えば他人の家に行った場合でも、どこに何があったかは比較的よく覚えており、その性質を利用する。記憶したい対象が抽象的なものの場合は、置換法を使い、イメージしやすい対象に変換してから記憶する。
この方法は海馬にある場所ニューロンの特性を利用している。場所ニューロンは名前のとおり、場所の記憶を司る。場所の記憶は動物にとって重要なため、長期記憶に保存されやすい性質を持っている。
その長所としては記憶の保持期間が他の記憶術と比較して著しく長いこと。欠点としては、一つの場所にあまり多くの情報を詰め込みすぎると混乱をきたすため、わずかな情報しか入れられないということ。そのため、充分な情報を詰め込めるだけの場所の確保に手間がかかるということである。世界記憶力選手権の世界トップ選手は数百個程度のイメージを競技中に記憶している。
Wikipedia「記憶の宮殿」より抜粋
要するに、古くからある物事を記憶する際のコツみたいなもので、
- 頭の中に建物を想像しておく
- 覚えたいこと(=覚えたいことを象徴するモノ)をその建物の中に配置しておく
- その場所を想像するだけで思い出すことができる
という方法です。
想像力は豊かであるほど立派な宮殿ができます。
「記憶の宮殿」の作り方・コツ
STEP.1 予備知識
「記憶の宮殿」は思い出すための手がかりのようなもので、全く何もない状態から思い出すことは難しいかと思います。
例えば、薬の名前を暗記したい時、「記憶の宮殿」を使って、一文字も名前を覚えていない薬の名前を思い出すことは不可能ではありませんが、訓練が必要になります。
要するに、薬の名前を覚えるならある程度、予備知識(薬の名前が分かるが、作用機序や分類が分からない状態 etc)がある上で「記憶の宮殿」を使うのがベストだと思います。
STEP2. 宮殿を作る
宮殿と言われていますが、どんな建物でも結構です。
ポイントは、
- 自分が思い出しやすいような内装
→壁紙・床の色 etc どんな些細なことでも思い出せるといいです - 家具も配置する
→収納家具(クローゼット、引き出し etc)があると、記憶したものをそこに収納することができ、一つの部屋で記憶できる量が増える - 部屋数が多くする
- フロアが複数あると、なお良い
こういった建物を頭の中で組み立てていきます。
宮殿の造りが甘いと、覚えれる量が少なくなり、なおかつ思い出しにくくなります。
とは言いつつも、多くの人が建物を想像する時間がないかと思います。
その場合、実在する建物で済ませるのもひとつの手です。
オススメとしては...
- 自分の実家
- 前に住んでいた家
- よく行くお店
- 学校
- 職場
- ゲーム内の建物
など、自分が何度も行ったことのある建物がオススメです。
一度、組み立てても徐々に劣化していくので、記録として残しておかないと忘れます。
中途半端に思い出すと、自分の宮殿を信じられなくなります。
STEP3. 覚えたいことをイメージ化する
自分が覚えたいことをモノや人に変換してください。
例えば、貝毒の名前を覚えるときに、毒の名前に近い人をまとめ、一つの部屋に配置するとか。
この作業に一番時間がかかります。
根気よくイメージ化していきましょう。
STEP.4 イメージ化したものを宮殿に配置する
次は、イメージ化したものを宮殿の各部屋に配置してださい。
この時、
- どの部屋のどこに配置するか
がとても重要です。
単に配置するのではなく、この部屋には、「〜に関すること」といったように同じジャンルのものをまとめて配置しましょう。
さらに、部屋に家具があれば、その家具の周りに、細分化した同ジャンルのものをまとめておきましょう。
汚い字ですみませんm(_ _)m
STEP.5 宮殿に定期的に訪れること
宮殿も記憶です。
時間が経つと、徐々に崩れて(=忘れて)いきます。
宮殿には定期的に訪れて(=思い出して)記憶を固めておきましょう。
友達からは、気持ち悪がられてました。
「記憶の宮殿」のメリット・デメリット
記憶の宮殿は、記憶したい内容を正確に思い出すことのできる万能の記憶術に思えますが、もちろんデメリットもあります。
メリット・デメリットを紹介すると...
- 思い出しやすい
- 思い出したときに漏れが少ない
- 記憶することが楽しくなる
- 準備に手間がかかる
→記憶の宮殿の構築や覚えたいことをイメージ化 - 時間がかかる
→どこに配置するかをしっかり考えなくてはいけない
この方法の便利なところは、一度イメージ化したものは再利用できるので、似たようなものや分類を覚える時にはとても楽です。
「記憶の宮殿」に向いていること・向いていないこと
記憶の宮殿ができたら何でもできると思われがちですが、この記憶術には向き不向きがあります。
例えば、
- 学校の勉強 etcといった座学(暗記科目)には向いている
- 仕事の手順といった瞬時に思い出す必要のあることには向いていない
→一度、宮殿を思い出す手があるので、ワーキングメモリとしては使えない
→これは訓練次第でどうにかなるらしいが、私はできませんでした
あとは工夫次第で覚えられる幅は広がっていくかと思います。
さいごに
こちらの動画は、『誰でもできる記憶術』というタイトルで、「記憶の宮殿」が紹介されていました。
大切なのは、組み立てた宮殿を何度も思い出すことです。
ペンも紙も机も必要ありません。
いつでもどこでもできる勉強ですよ。
ぜひ、試してみて下さい。